フィクションを哲学する

くだらなくてもいいじゃない。

『ストーリーとディスコース』第一章序論 メモ

(こっちはガチで自分用のメモとして使用するので、読んでも内容がわからない可能性があります。)

全体的な話

各章の要約となっているっぽい。

1.1 物語論詩学)概要

  • 詩学->ロシア・フランスのフォルマリスト・構造主義->現代の文学理論(今ここ)
  • 詩学の対象は、文学テクストそれ自体ではなく、その「文学性(文学の本質)」。具体的には、文学の対象とするものやその構成要素の持つ性質の研究。
  • 文学理論は基本演繹法

1.1 物語の諸要素

  • 構造主義では、物語はストーリー(物語内容)とディスコース(物語言説)からなるとされている*1
    物語の要素(p.25 をもとに作成)
  • 物語はいかなる*2表現媒体からも独立した構造であり、ストーリーは媒体間で交換可能である。
  • で、構造とはなんぞや。
  • もちろん出来事や存在物をただ集めただけでは構造にはならない。
  • 物語の出来事は認識可能な秩序を伴う(「あらかじめ順序づけられた通りにその姿を表す」)。
  • 物語は変換性*3と自己制御(物語の構造を見出すような要素を受け付けない*4)の両者を伴う。->構造といっていいだろう。
  • ディスコースにも二つの下位要素がある。①物語言説の具現形態(具体的な作品)②物語伝達の構造としての物語形式。

1.2 物語は記号論的構造か(と言うよりはそう考えよう的な話)

  • 表現と内容にさらに実質と形式の区別を設ける*5
    • 表現
      • 実質:ある表現の実態的な性質(例:実際に書かれた文字、発声された声など)。
      • 形式:ある言語がそれを同一のものとみなすパターン(例:同じ文字とみなされるような、線のパターン)。
    • 内容
      • 実質:思考や感情の全体的な集積
      • 形式:ある言語の根底にある同一の実質に与える諸関係の抽象的構造
  • で、物語の場合
    • 物語言説
      • 実質:物語内容を伝達する媒体
      • 形式:物語言説(の構造)。これはどの媒体でも共有される要素からなる。
    • 物語内容
      • 実質:物語媒体によって想像される虚構世界全体*6
      • 形式:物語内容の構成要素(出来事、存在物)
  • 物語構造を有することによって、逆に出来事、登場人物、背景を内容に与えることができる(例えば、非人間が起こしている出来事の中に物語構造を見出すことができると、非人間を登場人物にしたストーリーを構築できる)。

1.3 具現形態と物質的対象

    • 現実的対象:現実の事物
    • 美的対象:現実的対象を美的に経験する際に出現するもの。観察者の精神内で(再)構築される(本が多少汚れていても中身は変わらない*7。)

1.4 物語の推測、選択、一貫性

  • どのストーリーに共通する特徴は順序と選択。
  • 選択はどの出来事、事物を語るか、もしくは暗示に止めるかを決めること。
  • 物語は送り手と受け手の存在を前提としている(内包された作者とかは省略)。
  • 物語の受け手は、語られていない空白を解釈により埋めなければならない。
  • 物語の選択は絵画のそれとは異なる。物語が選択するのは出来事であり、それらは受け手が連続性を導き出すのに十分であることが求められる。
  • 媒体ごとに表現する(あるいは隠す)のが得意な物語内容は異なる。
  • 物語には一貫性が求められる*8。例えば、物語の存在物は出来事と出来事の間で同じものでないといけない*9

1.5 物語構造の概略

  • 物語言説は物語陳述からなる。物語陳述を、具現される実質以外の、物語要素のあらゆる表現を意味するものとして用いる。
  • 陳述には二種類ある。
    • 状態陳述:事物が存在する。〜な状態である。
    • 経過陳述:誰かが何かする。何かが起こる。
  • 経過陳述には物語る方法(telling)と再現する方法(showing)の二種類がある。
  • 状態陳述にも同様の区別ができる*10
  • 存在物から出来事が、逆に出来事から存在物が推測できることがある。
  • 語り手の存在について。作り手と語り手は区別すべき。
  • 語り手の有無(あるいは語り手を意識させるか否か)で物語は区別される(というか語り手に関する区別でこれ以外の第三の区別はいらない)。
  • 物語といえば出来事重視に思えるかもしれないが、その動作主となる存在物の描写は最低限は必要である。

1.6 漫画を例として

いままでの話の実践なので省略

1.7 「読むこと」と「読み取ること」

  • ストーリとは、あくまで読者の意識に現れる過程のことを言っている*11
  • マンガの例でやったのは「読み取り」であり、通常の「読み」とは異なる*12
    • 読み:表層レベル、内部レベル
    • 読み取り:深層レベル、相互的レベル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:本書に沿ってここでは、ストーリー・ディスコースの呼び方を採用する。

*2:「いかなる」とは?あらゆるではなく?

*3:何いっているかよくわからなかった。ある出来事群を物語として表現すると必然的に物語の秩序に従って出来事群が変換されるということ?

*4:もしぶっ込んだとしても、読者は「不適格」であると認識する(今風でで言うと「ここいる?」に近い感覚?)。

*5:実質と形式が何かをうまく抽象化して説明できなかったので、個別に記述する。

*6:恐らくここには物語媒体によって示されていない内容も含まれている。

*7:この説明はあまり適切でないような気がする。「顔がいい人は泥被っても顔がいい」みたいな話の方が近い。

*8:これが存在物の一貫性のみの話なのかはわからない。

*9:このあと「王がなくなり、そしてその後女王は悲しみのあまり亡くなった」と言う例で、女王が王の妻であるのは当然だと考えるとあるが、たぶんこれは存在物の一貫性の話ではないと思う。物語的結合的に考えると女王じゃないとおかしいと言う話だと思う(でそこでの物語的結合が因果関係でなさそうと言うこと)。

*10:最初の例(媒介ありなし)は語り手を意識させるか否かの違いくらいにしか感じなかった。二つ目の例(様相の違い)はそもそも陳述する内容が違う。たぶん両者は同じものを示す例のはず。

*11:読者の解釈と独立して存在できるわけではないことを主張しているたぶん。

*12:ここもうちょい具体的な説明はできんかったの?