(こっちはガチで自分用のメモとして使用するので、読んでも内容がわからない可能性があります。)
3.1 ストーリー空間とディスコース空間
- 出来事はが占める次元が時間であるならば、存在物が占める次元は空間である。
- ストーリーとディスコースの時間が区別されるように、ストーリーとディスコースの空間もまた区別されねばならない。
- 映画の場合*1
- 明示されるストーリー空間:実際にスクリーン上に示される世界の断片
- 内包されているストーリー空間:画面上には現れないが、登場人物にとって知覚・行動可能な空間*2。
- ストーリー時間が出来事を内包するように、ストーリー空間も存在物を内包する。
- 映画の場合はストーリー空間は「事実のありのまま」といえるが*3、言語による物語の場合、ストーリー空間は抽象的で、頭の中で再構築する必要がある。
3.2 映画の物語におけるストーリー空間
- ストーリー空間とディスコース空間の違い*4
- 尺度または大きさ
- 輪郭、質感、濃度
- 位置
- 反射した照明の程度、種類、領域(色)
- 視覚的解像度の明瞭さ、あるいは程度
- ストーリー空間とディスコース空間は時間ほどはっきり分けることはできない*5。
- 語り手は、様々な視点から報告したり、一瞬で移動したり、同時に二つの場所に存在することもできる。
- ストーリー空間は、登場人物の知覚and/or語り手の報告が元になっているが、両者によって生み出される空間が、一致することもあるし、焦点があちこちに移動するものもある *6。
- 古典的な舞台劇と比べると、小説や映画は空間を描くにあたって機敏な可動性を共有している*7。
- ただ、言葉と映画のストーリー空間の間には違いがある。
- 映画の場合は世界を切り取るのスクリーンの枠があるが、小説にはない。
- 小説の場合、言葉で指定されたもののみを(想像上で)「見」ているが、映画の場合、他のものも見える。
- 小説の場合観念の領域で物語が展開することがあるが、映画では場所がないと思わせるような感覚を与えるのが困難である。
- 映画は、その言葉の厳密な意味において記述することができない。行為をとらえることができない*8。
- 逆に言葉による記述は、時間に従って直線的に詳述することを避けられない。
*1:この流れだとストーリー/ディスコースの空間の説明がくると思うのだが、違うのだろうか?
*2:映画理論における物語世界(diegesis)の概念はこちらに相当すると思う。
*3:ここで「少なくとも二次元的には」というのは、おそらくスクリーンを見てとれる限りにおいてという意味だと思う。
*4:ここでディスコース空間の説明来るんかと思ったらこない...。こっちの方が詳しく説明されている。おそらくディスコース空間とはディスコースによりいかにストーリー空間が提示されるかということだと思う。
*5:時間の場合進む方向が一定であるが、空間は相対的であることを理由)に挙げている。)。
3.2 言葉による物語のストーリー空間
*6:後の具体例を読むにこれは両者によって構成されるストーリー空間が食い違うことがあるという話ではなさそう。どちらかというと違う視点から提示されているとか、別のものに焦点が当たっているとかいう話のように思う。
*7:「可動性」とは視点や存在物の位置関係を語りにおいて自由に動かすことができることだと思う。
*8:対象や行為を見るがままに映すことはできるが、それらがどのような意味を持つのかを記述することはできないということだろうか?もっと具体的には、登場人物の心情、行為の意図などだろうか・